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執筆者の写真山科 拓郎

【インタビュー記事】Re:Futatabiに込められた想いとは? 父の早逝から学んだ冨永 将教の生き方改革

更新日:5月16日



“ふたたび健康を取り戻す”という、強い想いを胸に。

パーソナルジム・Re:Futatabi代表の冨永 将教さんが、このコンセプトを掲げるようになったのは、20歳のときに父を亡くしたことが大きな動機でした。

この経験を機に健康の重要性を実感し、大学では臨床心理学を専攻。卒業後、大手パーソナルジム運営会社にてフィットネストレーナーの道を歩み始めました。


その後、チーフトレーナー兼店舗責任者として活動し、200名を超えるダイエット希望者やアスリートのボディメイクを担当。豊富な経験を活かし、長期的なスパンで「痩せたい」「健康になりたい」と願う人々の想いに寄り添うサポートを目指して、2023年には佐賀県でRe:Futatabiを設立しました。幼少期の経験が現在の活動に与えた影響や、ジム運営を通じて伝えたいメッセージ、経営における工夫などについてお話いただきました。



プロフィール


代表 冨永 将教(とみなが まさのり)さん


1995年佐賀県生まれ、鹿児島県育ち。剣道歴19年(段位五段)。鹿児島県の大会で個人準優勝、福岡市の大会で優勝を果たし、現在も全日本優勝を目指して稽古中。心の健康について研究するために大学院生を目指していた20歳のとき、生活習慣病で父を亡くし、健康の重要性を痛感。大学卒業後、大手パーソナルジム運営会社へ入社。チーフトレーナー兼店舗責任者として佐賀店を1人で運営し、200名以上のボディメイクを担当。体が変われば心も変わるという気付きを得る。2023年にパーソナルジム・Re:Futatabiを設立。



幼少期から剣道で、負けん気や敬いの気持ちを培う


パーソナルトレーナーといえば、スポーツ経験が長いというイメージが強そうですが、私の場合はそれが武道でした。厳格な剣道家で、経営者でもあった父の影響が大きく、4人の兄弟は全員、剣道を習っていましたね。私は小学4年生の頃に始めたので、剣道歴は約19年です。



もともと猪突猛進で、負けず嫌いな性格だったこともあり、自分には高い競技性を持つ剣道が合っていたのかも。高校1年生のときに鹿児島県の大会では個人準優勝、大学2年時に福岡市の大会で優勝した経験は、日頃の研鑽が報われたことで大きな励みになりました。


また、礼節を重んじる剣道の経験を通じて、相手を敬う気持ちが培われたことにも感謝しています。おかげで、先入観なく敬意を持って、お客様から目標などについてヒアリングできるようになりました。対話することが大切ですよね。逆に感化されることも多く、最近ではお客様の影響でゴルフやピラティスなどを楽しむようになりました。



父の早世を期に、パーソナルトレーナーの道へ


父の話に戻りますが、彼はとても厳しい人でした。でも、経営者的な視点や武道家としての心構えから学ぶことも多く、幼少期から父のアドバイスを率直に守るほど尊敬していたんです。中学時代に生徒会長に立候補したり、大学で臨床心理学を学ぶことを決めたりしたのも、父の影響でしたね。


しかし、私が大学進学のために受験勉強をしていた頃、父が他界したんです。当時52歳だったので、あまりにも早くて、自分にとっては衝撃的な出来事でした。体重は100kgを超えていたので、生活習慣病が原因のひとつだと思います


多角的に会社経営をしていたので、スタッフさんへの対応も必要になるし、家族への影響は甚大でした。小さな兄弟がいるので、私も大学院まで通うのは難しい状況になるぞ……と。そこで、臨床心理学を学んだ経験が活かせる仕事を探していたところ、目に止まったのが某大手パーソナルジムだったんです。当時は、CMもバンバン打っていて、目にしない日のほうが少ないぐらいでした。


善は急げということで、就職活動をする前に大学4年生の春休みを利用して、そのパーソナルジムを運営する会社にインターンとして入社しました。その後、面接を受けて正式に入社となったときは、想いが叶って感無量でしたね。



入社後、大会出場や店舗管理を経験


その会社には約5年在籍したんですが、本当にいろいろな経験をさせていただきました。

コンテストに初めて出場したのもこの時期で、絞り込まれた肉体の美しさを目の当たりにしたときは、強い衝撃を受けました。私が出場を決めたのは、「サマー・スタイル・アワード※1」で優勝した経験のある先輩への憧れからでしたね。



「NABBA JAPA※2」に出場した際は絞りの極地というか……。体脂肪率は3%ぐらいまで絞りました。最初は糖質をしっかり取り、徐々に減らしていく手法で、脂質も制限。ボディメイクはとても大変でしたが、ノービストール部門で全国5位を獲得しました。この業界で働く上で、大きな自信につながったと、今でも誇りに思います。


業務の話で言うと、初めに配属されたのは拡大を目指してスモールスタートした、マンションの一室を利用した店舗でした。最初は自分を含めてスタッフが5人いたんですが、しばらくしたらみんな退職してしまって……(笑)。その後は店舗責任者として働いていたので、ほぼ休みがない状態でしたね。それでもすぐに辞めなかったのは、やっぱり剣道のおかげかもしれません。継続の大切さを実感していたので、最低でもトレーナーや経営者としてのスキルを身につけられるまでは働くと、心に決めていたんです。


※1 健康的でたくましい、その夏が1番似合う男性・女性を決める日本国内のフィットネス競技大会。世界初・身長別のスタイルを競う。

※2 「National Amateur Bodybuilders Association」の略称。1950年にイギリスで設⽴されたボディコンテスト団体。現在は世界60カ国以上がNABBAに加入している。2019年に「NABBA JAPAN」を設立。



よりよいサービスを提供したい気持ちから、独立へ


独立を決めたのは、環境面とサービスともに自分なりのブラッシュアップを重ねて、もっともっと通いたくなるパーソナルジムを作りたいという気持ちからでした。できれば、佐賀県でナンバーワンのジムになれたら……と考えています(笑)。“ふたたび健康を取り戻す”というコンセプトのもと、お客様の気持ちに寄り添うためには、やっぱり自分の城と言いますか、自分でコントロールがしやすい空間が必要だったんです。



開業にあたり、一番苦労したのは集客の部分でした。公式サイトも自分で作ったので、広告・宣伝費はほぼゼロに抑えられたのは幸いでした。友人に宣伝してもらったのも大きかったです。いわゆる口コミですね。「最近痩せたんじゃない?」みたいな日常会話から、「最近ジムに通ってて」と紹介してもらえるような場作りがとても大切だと、経営を続けてみて実感しています。


ターゲット客層は、40代以上に設定しました。このぐらいの年代から、健康診断の結果を見て、運動に対する意識が上がる方が増えてくると思うんです。20〜30代では生活習慣が多少乱れていても数値には現れにくいですが、40代になると差が顕著になっていきます。


運動習慣の継続って、“再挑戦をし続ける”ことだと思うので、それを手助けできるパートナーになりたい。父親のこともありましたし、健康改善を目指す方に寄り添える存在でありたいと思ったんです。そんな思いから、屋号をRe:Futatabiに決めました。



筋肉食堂とのコラボレーションや、徹底的な食事管理も


特色のひとつとして、Gym'sを活用した徹底的な食事メニューの管理を行っています。「1人では続かない」「何を食べたらいいかわからない」といったお声をいただくことも多いんですが、LINEでのこまめな連絡も欠かさないようにしていて、健康的な食習慣の継続しやすくなったと皆さんおっしゃってくれます。



また、カラダづくりを志す人たちに向けた宅食サービス「筋肉食堂DELI」とのコラボレーションも好評です。佐賀県では初めて提供となり、管理栄養士監修による、ローカーボ/シェイプアップ/パワーアップといった目的に合わせたメニューを、忙しい毎日でも手軽に味わえるサービスとなります。長年、食事に気を使っている方でも、日々の献立に悩まれることがあるはずなので、重宝してもらえると思います。トレーナー目線では、お客様の食事管理がしやすくなるメリットもありますね。


こうした食事管理と運動習慣の継続によって、約1年間のスパンで体重110kgから77kgまでシェイプアップされたお客様もいらっしゃいます。ただ、終わりがないのがボディメイクの世界。今も筋肉を増やしながらアップデートを続けていただいていて、とても嬉しく思います。体重を落とすだけじゃなくて、皆さんの理想を叶えるために長く寄り添っていけたら、冥利に尽きますね。



「コラボヘルス」で社会全体を元気に


将来的に、パーソナルトレーナーやパーソナルジムという存在が、より価値のあるものになってくると考えています。運動や健康的な食事の習慣化って、やはり対人でコミュニケーションを介さないと難しいと思うんです。これは、肉体を持った人間だからできることで、巷を賑わしているAIでもすぐに対応できるようにはならないんじゃないかな。


Re:Futatabiでは、“健康を再び取り戻す”というのが重要なコンセプトなので、それを軸に今後サービスを増やしていきたいと考えています。最近は「コラボヘルス」という言葉が話題にのぼりますが、パーソナルトレーニングと他分野のかけ合わせにも興味があります。


例えば、産業医さんやピラティス、整体とのコラボレーションとか。それにより、付加価値や相乗効果を生み出していければ、とても理想的です。「筋肉食堂DELI」とのコラボレーションも、その一環と言えるかもしれません。今後は病院にもご相談して、“パーソナルトレーニング×予防医療”の分野にも参入していきたいですね。


最近では、世の中に娯楽があふれて便利になってきた一方で、体を動かす機会は減ってきてしまっているのかもしれません。心身には密接な関係があるので、運動不足が続くと気持ちが沈みやすくなってしまう恐れもあります。そこで役割を担うのがフィットネスです。しっかり体を動かす習慣が社会全体に根付いてきたら、モチベーションの向上に合わせて世の中が元気になり、経済も回りやすくなるのかも。体が変われば心も変わっていくことを、これからも伝えていきたいと考えています。

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